インポスター症候群は、病気の名称ではなく人の心理的な気質を示すための用語だということはまず知っておく必要があります。つまりこの傾向を放置しておくと心身に重い負担を抱え込んでしまったり、仕事などのキャリアに悪影響を及ぼすおそれがある一方、病気ではないので日常生活の中で改善していく余地も十分にあるわけです。
インポスター症候群の人は自己肯定感が低く、自分の能力を過小評価してしまっているのが最大の問題点です。ですから対処法では自分の能力、とくに成し遂げた成功や実績を正当に評価するよう努めることが第一です。そのためにも客観的な視点で自分の実績を見直し、「自分にはこれができるくらいの能力があるんだ」と見つめなおす機会を作ってみましょう。
それから周囲から褒められたときに素直に受け入れることも重要です。妬みややっかみは深刻に受け止める一方で称賛を否定してしまう、素直に受け止めないのもインポスター症候群が抱え込みやすい問題点です。褒めてくれる人は善意で言ってくれるわけですから、素直に受け入れる。そしてその時味わった心地よさや感謝の気持を大事にして忘れないようにする。自信の過小評価を改善するだけでなく、対人コミュニケーションを改善する上でも重要なポイントです。
そして「完璧を求めない」こと。求めるハードルを高く設定しすぎるためになにをやっても満足できず、自分の能力不足を責めてしまう。あまり早い段階で最終目標を設定しようとすると高いハードルを課してしまうがちなので小さな目標をいくつも設定して少しずつクリアしていくのがおすすめです。このようにインポスター症候群についてよく理解することが症状の改善に役立ちます。