インポスター症候群とは、一言でいうなら「自分自身のことを過小評価してしまう」傾向があるという現象です。心療内科で心疾患の一つだと考えられているわけではなく、誰もが経験する可能性を秘めた「体験」だという位置づけとなっている点が、大きな特徴です。

インポスター症候群では自己肯定感が低いため、周囲からどう見えているかに関係なく、自分の成功は自分の頑張りの成果というよりは運が良かっただけなのだ、と考える傾向があります。世界では約70%の人が経験したことがあると言われているほど一般的な症状で、仕事で成功したりキャリアを築いている人でも、約半数はこの疾患と闘いながら毎日を過ごしています。

インポスター症候群は疾患だと考えられているわけではないため、心療内科で薬を処方してもらえたら簡単に完治できるわけではありません。症状がひどくなれば、カウンセリングなどの治療を受けながら少しずつ症状を軽減することは可能ですが、多くの場合には日常生活の中で自分自身が対策を講じ続ける必要があるでしょう。

現代社会においては、インポスター症候群を克服したいと考える人がたくさんいます。今すぐにできる対策方法としては、自分自身に厳しくしすぎず、嬉しいことや成功したことはそのまま素直に受け入れられるように意識することがおすすめです。また周囲からの否定的な意見を耳にしても、あまり深刻にとらえず受け流すという対応もまた、インポスター症候群の対策方法としては効果的です。またつらい気持ちを自分一人で抱えずに、周囲に相談するのも良いでしょう。自分の気持ちを吐露することによって、新しい考え方が見えてくるかもしれません。